プログラミング、ゲームシステムなど普段考えたことについてのメモ帳代わり。
No.24
2011/12/11 (Sun) 19:55:39
福岡博士のメインテーマである「動的平衡」、その2冊目ということで、「動的平衡」を中心にした本になっている。
氏の著作ではどれを当たっても「動的平衡」という言葉が出てくる。執拗と言っても良いほどだが、わざとそうしているのだろう。
他の方がどうかは分からないが、自分の中では「動的平衡」と「福岡伸一」が1対1で結びついてしまっている。
新書では詩的なエッセイを書かれているが、「動的平衡」についてはテイストが異なり、どちらかと言えばごく普通の一般向け科学書といった感じ。本書でもその点については同様である。
相変わらず読みやすく、興味深い話を展開されている。人にもよりけりだろうが、個人的には新しいことも多く、大いに楽しむことができた。
特に、毎春、日本中に花を咲かせるソメイヨシノ、それが全て、元を辿ると一本の交雑種のクローンであるという話は非常に面白かった。
人類を祖先を辿ると1人の女性に行き着く、という話とはまったく異なる話になるのだが、それでも過程で絶えることなく増殖し現代に生き続けているということに類似性を感じた。
エピジェネティクスの話もとても面白い。進化は遺伝子の突然変異だけでは説明できず、人間とチンパンジーの差は遺伝子のON/OFFタイミングが大きく関与しているのではないかという話。また、それは精子と卵子に由来するDNAでなく、卵細胞に含まれる別の何かなのではないかという話。
「できそこないの男たち」で人間はデフォルトが女性であるという話があったが、男はひととき多様性を齎せども経験を次代に引き継がせることができず、あくまでそのベースは女性であるということ。
今後の展開次第だが、自分が男であるということなんて関係なくて、ただただ興味深い話だと思う。どうあってほしいということではない。そうやって生命が存在しているならば、そういうことなのだろう。
自分の本業とは関係が無いからあまりこちらにばかり手を出すわけにもいかないが、やはり面白い。時代の流れ、ブームは関係しているだろうが、それでも手を伸ばしてしまう。面白い。明らかに、コンピュータ業界よりも。たとえ内部がドロドロの世界であっても。
科学が、外から見ていつでも楽しみを与えてくれる世界であらんことを。
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